伊賀の女忍・服部蘭と、三代将軍・徳川家光は、年の差も身分の差も越えて惹かれあうふたり。蘭は家光への想いこそが生きる意味であると気づくが、故郷では家族に家庭に入ることを強いられ、江戸ではお福や側室候補たちに側室になる資格すらない年増女と責められ、過去の想い人・林蔵には抜け忍になれば自由になれると唆される。その都度、傷つき、迷いながら家光の愛に支えられていた。
しかしお福は家光が蘭を愛するあまり、側室候補に興味を持たないことをよく思うわけがない。徳川家の世継ぎ誕生を果たすため、お福が大御所・秀忠に協力を煽ぐと、蘭に隠密任務が命ぜられることに。離ればなれになることが決まった蘭と家光は別れの際、ついに男女として結ばれる。
京の帝のもとに嫁いだ家光の妹君・和子を心配に思った秀忠は、蘭に和子付きの武家娘として潜入するように命じる。和子は帝(後水尾天皇)を「心ないお方」と恐れるが、実際に接した蘭にはそうは思えなかった。そんな中、「一緒にいても面白くない」という帝の言葉を聞いてしまった和子は姿を消し…!?