王妃マルゴ1巻発売記念 萩尾望都&池田理代子BIG対談!(一部公開!)

王妃マルゴ1巻発売記念、萩尾望都&池田理代子、歴史的初対談!

王妃マルゴの試しよみ
王妃マルゴのご購入はコチラから

――対談は初めてだそうですが、お話されるのも久しぶりですか?

池田 ゆっくり話すのは久しぶりです。あ、でもこの前渋谷でばったり会ったのよね。

萩尾 ええ、デパートで(笑)。初めてお会いしたのは……デビューしてすぐくらいでしたよね。その後、理代子先生のお宅のクリスマスパーティに伺ったのが忘れられない。先生はまだお仕事が終わっていなくて。『オルフェウスの窓』の二回目を描いていらしたの。私たちが先に食事して……。

池田 全然記憶にない(笑)。

萩尾 一人一匹チキン! あまりにびっくりしたので覚えています。

池田 私が覚えてるのはね、萩尾さんのお家に行ったら、ちゃぶ台で原稿を描いてたんだけど、コマを順番にじゃなくて、とびとびで埋めていくの!

萩尾 なんかこう……全体を見渡した時に、「今日はこのシーン!」っていうのがクリアに浮かぶところから描きますね。

池田 私は「描くのいやだな」っていうコマも、順番に、自分に鞭打って埋めていたから、それもありなんだ!と目からうろこだった。

「理代子先生ならどう描くのかしら」と思う
萩尾さんが歴史ものを描くのを見て勇気をもらった

池田 私ね、今回萩尾さんが歴史ものを描き始めたことですごく勇気とやる気をもらったの。がんばってるなあって。毎月45ページで、たまにお休みも入る……私もこのペースでなら、また歴史もの描けるかもしれないって思った。

萩尾 本当ですか! ぜひ。でも歴史ものって、本当に大変ですね。始める時に、やっぱり歴史ものなら『ベルサイユのばら』だよね!なんて言っていたんですけど……いつも「こういう時、理代子先生だったらどうやって描くのかしら」とよく思います。私はちまちま、ちまちま描いてしまうから「理代子先生の画面はもっと華やかだった!」とも思うし。

池田 『ベルばら』は「マーガレット」の連載だったから、どどーんとドレスを描かないといけなかったしね。いつも画面からはみだして描いていました。

萩尾 画面バランス、すごくきれいでした。

池田 ありがとうございます。『王妃マルゴ』は16世紀のお話でしょう。あの時代は描くのが難しいわよね。すごく人間関係が複雑だし。登場人物の誰をとっても一本描けるくらいおもしろいでしょう。

萩尾 キャラクターがいろいろいますよね。

池田 うん。関係がいり乱れている。メンタリティが今と全く違うから、理解しづらいでしょう。倫理的なものも全部違うじゃない。『ベルばら』は18世紀だから、まだちょっとはわかるの。

萩尾 うん、18世紀になると自由化の波が押し寄せてきますからね。

池田 そう。だから私は『マルゴ』の時代に手が出せなかった(笑)。

マルゴは、自然の呼び声に素直で、健康的な女の子

池田 私、マルゴはすごく素直な女の子だと思うの。自分の思う通りに恋愛するでしょう。

萩尾 本当は素直であっちゃいけない時代に。

池田 「素直」って、王室では近代においてまで一番危険な要素よね。結婚に恋愛が介在することはあり得ないから。今でも、小さい時から家と家のために自分が嫁ぐと教育されていて、しかもそれが哀しくもないんですって。でも時々、恋に狂っちゃう人もいるらしくてね、そうすると「おしつけが悪いわね」とか言われるの!

萩尾 でも恋をしたいという自然の呼び声があるじゃないですか。どうやって葛藤を乗り越えていたのかなあと思っていたんですよ。

池田 うん、だからマルゴはすごく健康な女の子なのよ。

萩尾 自然の呼び声に素直(笑)。

池田 女の子って、小さい時から男に対しての影響力をわかってるわよね。かわいい子は、最初から女を武器にしていて。自分がどんなふうに笑えば周りの人がイチコロになるかわかってる。私は武器にしたくてもできなかったけど。

萩尾 ええっ! そんな。

池田 かわいくなかったの(笑)。

萩尾 うちには猫がいるんですけど、猫とはいえ、かわいい猫はやっぱりニコッと笑います(笑)。




撮影/加藤孝 文・構成/門倉紫麻
取材協力/ジョエル・ロブション
(03-5424-1347 http://www.robuchon.jp/

ページ上部へ